凡人の凡人による凡人のための

怠惰な日々を過ごす最中、ひょっとしたら自分自身を追い詰めるのが好きな性分なんじゃないかって思った。誰に決められたわけでもないこのブログ、三日坊主でやめてなるものかと意地になって食らいつく。誰も見ていない、知らない文章。確かに音楽をやっていたころは基礎練を欠かしてしまったらいかんと意地になって弾き続けた。しかしそれは聞いてくれる人がいたから、あるいは一緒に演奏する仲間がいたからという理由があった。一人である状況で意地になってまで書き続ける必要はないだろう。それでも何かをしていたくて、どこかに望みを残していたくて。ひょっとしたら糞みたいな文章でも毎日書き続ければ何か変わるのではないかと思って。基礎練は裏切らない。天才になりたがった僕の音楽における究極の結論がこれだ。音楽も人も平気で裏切る。しかし基礎練習だけは変わらず安定した成果を出し続けた。天才でありたいと思う気持ちとは裏腹で、ずいぶんと平凡な才能だった。

 

平凡だから掃除をすることにした。天才の部屋は汚れていても構わないが、凡人の部屋はそれなりに綺麗でなくてはならない。ひたすらコロコロをかけた。そういえばコロコロって商標だった気がする。コ□コ□をかけた。そこはかとなく卑猥に思える。心が汚れいているからだろうか。よりいっそう掃除に精をださねば。ゴキブリの子どもが死んでいた。そう東京2年目さ、彼らの対応も心得ている。ついこのあいだスモークタイプの除去剤を撒いた。そして怪しい気配を感じた三日前ほどに待ち伏せスプレータイプの殺虫剤もほどほどに撒いた。その成果がある程度でたのだろう。しかし小さいゴキブリ、ということは近くに巣があるのだろう。今年はなんとしても見たくはない。東京に越してきたからすっかり落ち着いてしまったので、唯一て言っていいほどの天敵の彼ら。人間でもう一人天敵がいるのだけど、どうしても話がそれてしまうからまた別の機会にしようと思う。コ□コ□がすっかり汚れなくなって、それでも掃除したりないのでエントランスも掃くことにした。常日頃汚れていて、不快極まりない。管理会社に連絡をしていたのだけども一向に改善されない。天才であればここで崇高な論理で説き伏せたりするのだろうが僕は凡人。やってくれないのなら自分でやることにした。ひたすら掃いた。とにかく掃いた。どこからやってくるのかというほどの枯草、埃、なにかの包み紙。お隣さんの分をやってあげた。ちょっといいやつじゃないか、俺。なんて浮き足立ちながら掃除を楽しんだ。

 

凡人のための凡人による凡人らしい休日。掃除はお金もかからないし部屋もきれいになる。なんとなしに心もちょっと軽くなった気さえする。「ああ、おれには何の特技もないしもうダメかもしれない」そんなやつがいたら利害を無視した掃除をオススメする。恐らくだけど、プロフェッショナルの掃除には適わないし、今、その人々にとんでもない失礼を働いているのだろうが。

 

合間に大好きなシンガーソングライターの動画をみたりした。彼女の話をさっきからしたくてしょうがない。でもしないのは大切にしたいからなんだろう。昔のバンドのツイッターをみたりした。うまくいってほしい気持ちとそうでない気持ちで宙ぶらりんになった。しばらく考えて、ちょっと泣いた。ハッピーエンドになればいいなあと思った。

 

くそみたいなゴールデンウィーク。でも、過去にはしたくない話が山ほどあるのはとても幸せなことかもしれないと気づいた。