殺してでも生きる(不幸せやその他の条件からは目を逸らして)

不完全で目覚めた朝。しばし夢想。後に見た空は重く沈んでいた。生きていくにはやらなければならないことがある。でも僕らは怠惰だから、しばしばそれを差し置いて、やりたいことだけをやってしまう。さあ、今日もやりたいことをしよう。でもその日の僕はやりたいことを見つけることができずに。くだらないギャンブルに流れていく。小説を書こう、曲をつくろう、アニメや映画を見よう。やりた"そう"なことはそれなりに思いつくのに。日々、やれずに流れてく。本気になれないことが好きなのかもしれない。お酒、ゲーム、ギャンブル。いずれも僕はまったく本気にはなれない。どれだけ疲れていてもできることがその人の才能だ。と誰かが言った、とするならば僕の才能はこの三つになってしまうのだろう。たしかにやり続けることでそれなりに見えてくることもある。でもそれは生産性もなく、次に続くような気もまったくしない。それに次に続くように意識してしまったらとうとう人生に希望を失ってしまうような気がして。どうにも。現代は非常に便利な社会で、動画配信でゲーム実況してもいいだろうし、スロット筐体を買って(あるいはアプリでダウンロードをして)研究をしてそれらに生産性を持たせるのは容易だ。しかし生産性を持たせた途端それは僕にとって義務になってしまう。実にいきづらい性格だと思う。

 

義務感で生きている。友達が自殺して悲しかった。だから僕は生きている。誰も悲しまないように。でもそのせいで誰かを悲しませてしまうかもしれない。そうすれば僕の行動は果たして真だろうか。いや、当時の決意に嘘はない。死ぬほどつらくて、生きるほどに死にたかったその時は間違いなくリアルだ。そんなくだらない哲学を繰り返して何も前進できないまま、今日もぼんやり一日が終わる。自堕落、がよく似合う。

 

ギャンブルは引き際を見誤ることなく、ほどほどのマイナス収支に着地した。まるで僕の人生みたいだな、と思った。可能性はいろいろあった。自分で選んだ道がそれをことごとくつぶしてしまったのかもしれない、と自身では思う。不完全な僕の不完全な日々。

 

そもそもあの子が悪いんだ。海を見にいこうと約束した。当日キャンセルされた。名誉のためにいっておくけれど、決して僕に魅力がないわけではないよ。かといって僕がとても魅力的だとも思わないけれど。ともかく、彼女はドタキャンしたんだ。体調がなかなか芳しくないとのこと。そのデート、とても楽しみにしていたのに。3年ぶりくらいにしっかりと予定を立てたデート。本気のデート。…なのに!

でもね、少し予見していた。楽しみにすればするほど幸せは逃げていく。マーフィーの法則っていったかな。そういう類の思い込みなのかもしれないけれど、どうにも現実に度々起こってしまって、僕はそういう宿命の人生だ。なんて、思ったりする。予見するような僕でなければ、素直に悲しんで怒って訴えて、やがて幸せを、ゆっくりと手繰り寄せているのかもしれない。

 

うまくいかんね。諦めちゃってるから。

 

悲しいね。でも本当は、それほど悲しくはないんだ。

 

 

置き去りの自分はまた長い眠りについて。どう生きようか。何をしようか。わからないままに、義務を果たしていく。殺してでも生きる。

 

 

 

青い車 (CUE COMICS)

青い車 (CUE COMICS)

 

 

青い車

青い車